chocologue

365日チョコレートを食べています

エスコヤマ SUSUMU KOYAMA’S CHOCOLOGY 2019

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毎年必ず購入しているエスコヤマのチョコロジー。小山さんのその一年の集大成、作品発表のような商品なのでいつも楽しみにしています。毎年ビジュアルも美しい立派な解説冊子を読むのも楽しみ。普段は1粒ずつ日を分けて楽しんでいるけど、小山さんのチョコロジーは食べる順番、後味まで含めて4粒のショコラがストーリーになっているので4粒を同じ時に、番号順に食べるようにしている(笑)

2019年は「MELLOW ~緑から赤へ 鏡の中の物語~」というサブタイトルで、緑から赤へと変わる過程を「物語」として捉え、一人の女性を主人公に見立てて若者〜老婆までの成長をショコラで表している。はい、ちょっと食べ物の説明として何言ってるかわからないですよね。

No.1からNo.4までのタイトルと味の構成は説明冊子より抜粋。

 

◆No.1 回想~野菊の香り 2018~

パッションフルーツアプリコットのような華やかな香りを持つ台湾の野菊の花を、実際には花を用いずに、野菊の葉の香りとほのかな苦みを移したペルー・チャンチャマイヨ産カカオのショコラ・オレ48%のガナッシュと、パッションフルーツアプリコットのパート・ド・フリュイの組み合わせで表現しました。野菊の「葉のみ」を使って、香りの奥にある苦み(青さ)のニュアンスをはっきりと持たせることで、パート・ド・フリュイのフルーティーな味わいの中に奥行きを感じる、立体感のある味わいを表現しました。前作のテーマ「What A Wonderful World」を引き継いだ作品です。

 

◆No.2 蕾 ~ハマナスの花のように~

「ピンク」「かわいい」などのイメージが食べた瞬間に頭の中に広がるショコラ。酸味や華やかさとともに渋みを宿したインド・アナマライビレッジ産カカオのショコラ・ノワール70%、そして、醗酵を経たカカオから抽出したカカオバターから生み出した華やかな香りのペルー・チャンチャマイヨ産カカオのショコラ・ブラン40%という2019年に初めて出会った2種類のショコラを合わせたガナッシュに、中国の有機農園で丁寧に育てられたハマナスの、バラのようであり、かつフルーティーな香りを移し取りました。コーティングとガナッシュの間には、ピューレを使わず特殊な技術でフランボワーズの味わいを閉じ込めたフランボワーズ・ショコラを薄く配して酸味をプラス。口どけとともに広がる、華やかな味わいの奥底に宿る渋みが複雑味を醸し、深い余韻をもたらします。華やかさと渋みの共存が描くのは、若々しかった頃を回想し、その頃の可愛さも宿しながら熟年を迎えた女性の姿です。

 

◆No.3 赤の時代へ~パプリカフランボワーズ~(スペイン・ラヴェラ産パプリカ)

このショコラ誕生のきっかけは、フランスのとあるスパイス屋さんが持っていた、スモーキーかつ奥に甘味を宿した素晴らしいパプリカとの出会い。スペインのラヴェラ地区で栽培された真っ赤に完熟し甘みを宿したパプリカは10~15日間かけて乾燥・燻製され、丁寧に石臼で挽かれてパウダーに。それらを自家製のアーモンドプラリネに混ぜ込みました。上の層には、アーモンドと同じバラ科であるフランボワーズの果実の華やかな香りと酸味、そして葉の苦みを移したマダガスカル産カカオのショコラ・ノワール64%がベースのガナッシュを重ねて。ひと口含めば広がるスモーキーな香りの中から、フランボワーズの酸味と香りが広がり、深みのある甘味を持ったパプリカとアーモンドが生み出すマリアージュが心地よい味わいを醸します。

 

◆No.4 Mellow~ダージリン~(インド・シンブーリ茶園 2018 春摘み)

インド産カカオとの出会いが可能にした
ショコラによるダージリンの本質の表現

このショコラを一言で表すとしたら「透明感」。熟した果物のような香りと甘み、そして心地よい後口が素晴らしい、インド・シンブーリ茶園で栽培された貴重なダージリンのファーストフラッシュとの出会いが生み出した一品。紅茶のシャンパンともいわれるダージリンを「ストレートで飲んでいるような感じのものが出来たらいいな」というイメージで創作しました。紅茶と同じくインド生まれのカカオからつくられた、酸味や華やかさとともに渋みを宿したインド・アナマライビレッジ産カカオのショコラ・ノワール70%、そして、醗酵を経たカカオから抽出したカカオバターから生み出した華やかな香りのペルー・チャンチャマイヨ産カカオのショコラ・ブラン40%という組み合わせによって、乳味感を奥底に宿しながらも、小山自身も驚きを隠せなかった透明感のあるダージリンそのものの味わいを表現できた2019年の創作を代表する作品です。

 …とこのように4粒で織りなす物語があり、しかも昨年の作品からの流れがあったり、No.4を食べてからまたNo.1に戻るとこんな楽しみがありますみたいな裏設定があったり…とかなりオタク向けなショコラなのでした(笑)毎年「今年は何を出してくるんだろう」とわくわくして、冊子を読み込みながら食べるのが楽しみです。もちろん何も考えずにぽいっと口に入れてもとっても美味しいよ!!

小山さんはこういうマニアックな構成のショコラを作りながら庶民的な街のケーキ屋さんのおやつのようなチョコレート菓子もたくさん作っているのが素敵だなあと思うのでした。

chocolate.oukakreuz.com

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